ラテンアメリカの大手企業トップ10（2024年）

ラテンアメリカの経済情勢は、地域および国際的な成長を牽引する極めて重要な役割を果たす、ダイナミックで影響力のある企業によって長年形作られてきた。本稿では、2024年10月時点のラテンアメリカの大企業10社を紹介する。企業の総合的な価値を示す重要な指標である時価総額に注目することで、その規模と影響力について貴重な洞察を得ることができる。また、これらの企業を各業界の最前線に押し上げた要因についても考察する。

順位	企業名	国名	時価総額（億ドル）
1	経済支援	メキシコ	183.39
2	メルカドリブレ	アルゼンチン	106.65
3	ペトロブラス	ブラジル	90.23
4	Nuホールディングス	ブラジル	70.07
5	イタウ・ウニバンコ	ブラジル	61.20
6	ウォルメックス	メキシコ	55.39
7	アメリカ・モビル	メキシコ	51.59
8	ヴァーレ	ブラジル	45.50
9	ウェグオン	ブラジル	39.99
10	サンタンデール・ブラジル銀行	ブラジル	39.09

1.メキシコ経済財団（NYSE: FMX）（メキシコ）

主な製品/サービスOXXOコンビニエンスストア、コカ・コーラFEMSAボトリング事業、OXXOガソリンスタンド、物流・流通サービス。

通称FEMSAとして知られるFomento Económico Mexicano社は、小売、飲料、物流部門で多角的な事業を展開するメキシコの大手多国籍企業である。同社は、メキシコ全土に遍在し、他の中南米諸国にも進出しているOXXOコンビニエンスストアの広範なネットワークで最もよく知られている。子会社のコカ・コーラFEMSA社を通じて、FEMSA社はコカ・コーラ製品のフランチャイズ・ボトラーとして世界最大の販売量を誇っている。

1890年に設立されたFEMSAは、メキシコのモンテレイで醸造所として始まった。1978年にOXXO1号店を設立するなど、長年にわたりさまざまな分野に進出してきた。FEMSAはラテンアメリカの小売・飲料業界で重要な役割を果たし、成長と革新に注力してきた。戦略的パートナーシップと買収により、同社はポートフォリオを多様化し、地域的にも世界的にも存在感を高めている。

2.MercadoLibre, Inc. (NASDAQ: MELI) （アルゼンチン）

注目すべき製品/サービスEコマース・マーケットプレイス、Mercado Pago（決済プラットフォーム）、Mercado Envios（ロジスティクス）、Mercado Crédito（クレジットサービス）、Mercado Shops（オンラインストア・プラットフォーム）。

MercadoLibreはアルゼンチンの企業で、ラテンアメリカ最大のオンライン商取引と決済のエコシステムを運営している。同プラットフォームは、商品やサービスの売買・決済プロセスを促進する幅広いサービスをユーザーに提供している。MercadoLibreのマーケットプレイスでは、個人や企業が多数のカテゴリーにわたって商品を出品でき、地域全体の顧客にリーチできる。

1999年にMarcos Galperinによって設立されたMercadoLibreは、ラテンアメリカにおけるインターネットの普及とeコマースの導入の増加に乗じて、飛躍的な成長を遂げた。Mercado Pagoによるデジタル決済、Mercado Enviosによる物流ソリューション、Mercado Créditoによる金融サービスなど、サービスを拡大している。MercadoLibreの革新的なアプローチと現地市場のニーズへの対応へのコミットメントにより、同社はラテンアメリカのeコマース部門で圧倒的な地位を確立している。

3.Petróleo Brasileiro S.A. - Petrobras (NYSE: PBR)（ブラジル）

注目すべき製品/サービス石油・天然ガスの探鉱・生産、精製、エネルギー生成、バイオ燃料、石油化学。

ペトロブラスはブラジルの多国籍石油企業で、石油と天然ガスの探鉱、生産、精製、輸送を専門としている。同社は深海および超深海での石油生産におけるリーダーであり、先進技術を活用して海底の埋蔵量にアクセスしている。

1953年にブラジル政府によって設立されたペトロブラスは、ブラジルのエネルギー部門の発展において重要な役割を果たしてきた。同社は、プレソルト層などの重要な海洋油田の発見に貢献してきた。景気変動や汚職スキャンダルなどの困難に直面しながらも、ペトロブラスは世界のエネルギー市場における重要なプレーヤーであり続け、ブラジルの主要産油国としての地位に貢献している。

4.Nu Holdings Ltd.(NYSE：NU）（ブラジル）

注目すべき商品/サービスデジタル・バンキング・サービス、NuConta（デジタル口座）、クレジットカード、個人ローン、普通預金口座、投資商品。

通称Nubankとして知られるNu Holdingsは、主にモバイルアプリを通じてデジタルバンキングサービスを提供するブラジルのフィンテック企業である。手数料無料のクレジットカード、デジタル当座預金、個人ローン、投資プラットフォームなど、さまざまな金融商品を提供している。同社は、官僚主義を排除しコストを削減することで、銀行業務を簡素化し、より多くの人々が金融サービスを利用できるようにすることを目指している。

2013年にデビッド・ベレス、クリスティーナ・ジュンケイラ、エドワード・ウィブルによって設立されたNubankは、世界最大級のデジタル・バンキング・プラットフォームに急成長した。ユーザーフレンドリーなアプローチと顧客体験重視の姿勢は、ブラジルで数百万人のユーザーを魅了し、メキシコやコロンビアなど他のラテンアメリカ諸国にも進出している。Nubankの破壊的モデルは伝統的なバンキングに挑戦し、金融セクターにおける金融包摂とイノベーションを促進している。

5.イタウ・ウニバンコ・ホールディングS.A. (NYSE: ITUB)（ブラジル）

主な商品/サービスリテール・バンキング、商業銀行、保険サービス、資産運用、投資銀行、クレジットカード

イタウ・ウニバンコはラテンアメリカ最大の銀行であり、時価総額では世界最大級の銀行である。ブラジルのサンパウロに本社を置き、個人、中小企業、大企業向けに総合的な金融商品・サービスを提供している。そのサービスには、個人・商業銀行業務、保険、投資銀行業務、資産運用が含まれる。

同行は2008年、ブラジルの2大金融機関であるバンコ・イタウとウニバンコが合併して誕生した。この戦略的合併により、国内外で広範な事業を展開する巨大銀行が誕生した。イタウ・ウニバンコはラテンアメリカ全域で強力な存在感を示し、世界の主要な金融センターに拠点を置いている。同行は、技術革新、顧客サービス、持続可能な慣行を重視し、金融業界のリーダーとしての地位を確立している。

6.ウォルマート・デ・メヒコ・イ・セントロアメリカ（BMV：WALMEX）（メキシコ）

注目すべき製品/サービス小売スーパーマーケット、ディスカウントストア、会員制倉庫、Eコマースプラットフォーム。

Walmart de México y Centroamérica（通称Walmex）はWalmart Inc.のメキシコと中米の子会社で、メキシコと中米数カ国で小売店を運営している。ウォルメックスは、ウォルマート・スーパーセンター、ボデガ・アウレラ、サムズクラブ、スーペラマなど様々な店舗形態を運営し、幅広い品揃えで様々な市場セグメントに対応している。

1991年にシフラ社との合弁でメキシコ市場に参入したウォルマート社は、事業を拡大し、最終的には株式の過半数を取得し、ウォルマートの名前で店舗をリブランディングした。それ以来、ウォルメックスは、低価格、顧客満足度、効率的なサプライチェーン・マネジメントを重視し、同地域最大級の小売チェーンとなった。同社は、消費者の嗜好の変化に対応するため、eコマースとオムニチャネル戦略への投資を続けている。

7.América Móvil, S.A.B. de C.V.（NYSE：AMX）（メキシコ）

主要製品/サービス電気通信サービス、ワイヤレスおよび固定回線の音声およびデータ、インターネットサービス、デジタルプラットフォーム

アメリカ・モビルはメキシコの多国籍電気通信企業で、株式加入者数では世界最大級。携帯電話、固定電話、ブロードバンド、デジタルテレビなど、総合的な電気通信サービスを提供している。アメリカ・モビルはラテンアメリカとヨーロッパの一部でテルセル、テルメックス、クラロなど様々なブランド名で事業を展開している。

2000年にカルロス・スリム・ヘルによって設立されたアメリカ・モビルは、メキシコ国営電話会社テルメックスの民営化によって誕生した。同社は買収と有機的成長を通じて積極的に事業を拡大し、電気通信業界の支配的なプレーヤーとなった。アメリカ・モビルは、技術革新とインフラ整備に重点を置き、サービス提供地域の接続性と高度通信サービスへのアクセスを強化することを目指している。

8.ヴァーレS.A. （NYSE：VALE）（ブラジル）

注目すべき製品/サービス鉄鉱石、ニッケル、銅、石炭、肥料の採掘と生産、物流サービス。

ヴァーレ社は、金属・鉱業に従事するブラジルの多国籍企業であり、ブラジル最大の物流業者のひとつである。鉄鉱石とニッケルの世界最大の生産者であり、世界の鉄鋼業や様々な用途に不可欠な原料である。ヴァーレはまた、銅、石炭、肥料の生産も行っており、鉄道、港湾、海運を通じた物流サービスも提供している。

1942年にコンパニア・ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ（CVRD）として設立された同社は、1997年に民営化され、後にヴァーレに社名を変更した。ヴァーレは世界的に事業を大幅に拡大し、大陸をまたいで数カ国で採掘活動を行っている。同社は、ブラジルのダム崩壊事故など、環境や社会的な課題に直面しながらも、持続可能性と安全対策に投資し、不可欠な鉱物の世界的供給において重要な役割を果たし続けている。

9.WEG S.A.（ブラジル）

注目すべき製品／サービス電気モーター、発電機、変圧器、オートメーションシステム、エネルギーソリューション、産業機器。

WEGは、電気工学、電力、オートメーション技術を専門とするブラジルの多国籍企業である。同社は電気モーター、発電機、変圧器、ドライブを製造し、完全な産業オートメーション・ソリューションも提供している。WEGはエネルギー、鉱業、石油・ガス、インフラストラクチャー、製造業など様々な業界にサービスを提供している。

ヴェルナー・リカルド・ヴォイト、エゴン・ジョアン・ダ・シルヴァ、ジェラルド・ヴェルニングハウスによって1961年に設立されたWEGは、ブラジルのサンタ・カタリーナ州の小さな工場として始まった。数十年にわたり国内外に事業を拡大し、複数の国に製造施設と事業所を設立した。革新、品質、持続可能性へのコミットメントにより、WEGは電気機器業界のグローバル・リーダーとして位置づけられ、世界中の技術進歩とエネルギー効率に貢献している。

10.バンコ・サンタンデール・ブラジル（NYSE：BSBR）（ブラジル

主な商品/サービスリテール・バンキング、商業銀行、投資銀行、資産運用、保険サービス、クレジットカード

バンコ・サンタンデール・ブラジルは、世界最大級の銀行グループであるスペインのサンタンデール・グループのブラジル子会社。ブラジルの個人、中小企業、大企業に幅広い金融サービスを提供している。そのサービスには、個人・法人向けバンキング、投資銀行、資産運用、保険などがある。

サンタンデールは1990年代後半、重要な地方銀行であるバネスパを含む買収を通じてブラジル市場に参入した。その後、サンタンデール・ブラジル銀行はブラジルを代表する金融機関に成長した。サンタンデール・ブラジルは、顧客満足、技術革新、持続可能な業務慣行に重点を置き、グローバルな専門知識と地元市場の知識を統合して、顧客に効果的なサービスを提供している。

要点

ラテンアメリカには有利な投資機会があります。ラテンアメリカ企業の取引に関しては、Hantec Marketsのようなプラットフォームが包括的なソリューションを提供します。Hantec Marketsは様々なラテンアメリカの株式へのアクセスを提供し、トレーダーは直接株式を売買することができます。ラテンアメリカ企業のパフォーマンスを追跡することは、様々なチャネルを通じて行うことができます。また、トレーダーや投資家は、CNBC Latin America、Reuters、Financial Timesなどの金融ニュースプラットフォームを活用し、ラテンアメリカ市場に影響を与える市場動向、企業発表、経済指標の最新情報を得ることができます。

テクニカル分析を行うには、MetaTrader 4 (MT4)やMetaTrader 5 (MT5)のような人気のあるプラットフォームが世界中のトレーダーに広く利用されています。MT4とMT5は、ラテンアメリカの株式を含む幅広い市場にアクセスできるため、トレーダーはこれらの企業にテクニカル分析のテクニックを適用することができます。

取引や投資情報に加え、ラテンアメリカ市場の一般的な側面を考慮することも重要です。ラテンアメリカは多様な経済を誇り、鉱業、電気通信、小売、金融、エネルギーなどのセクターが重要な役割を果たしています。政治的安定性、経済政策、規制の枠組みは、ラテンアメリカ企業に投資する際に考慮すべき重要な要素です。また、投資リターンに影響を与える可能性のある地域の地政学的動向や通貨変動に関する情報を常に入手することも不可欠です。

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